FTCによる調査開始
FTCのGoogleに対する調査は2011年6月に始められた。競合社などからは、「GoogleがAndroid端末メーカーに競合サービスを使わ
ないように仕向けた」「自社サービスを検索結果の上位に配置した」「競合サービスが収集した地域ビジネスのレビューなどの情報を不正に取得して自社サイト
に利用した」といった苦情が寄せられていたという。
米Googleについて進められた米連邦取引委員会(FTC)の調査対象は、主にモバイルプラットフォーム「Android」と検索サービス関連であった。
FTCは複数の州当局と協力し、Android搭載端末を製造するメーカーにGoogleが競合社のサービスを使わないよう妨害した事実があるかなどを調べた。また、地域店舗情報サービス「Places」やショッピング検索「Shopping」、金融情報サービス「Google Finance」といった自社製品を検索結果の上位に配置したことと、競合サービスが収集した地域ビジネスのレビューなどの情報を不正に取得して自社のサイトに利用したことでも疑われていた。
FTCの調査終了・和解
2013年1月3日、米連邦取引委員会(FTC)が米Googleを反トラスト法違反で調査していた問題で、両者は和解に達したことをそれぞれ発表した。FTCはGoogleの商慣習がモバイル市場とオンライン検索広告市場の競争を阻害している疑いがあるとして調査を進めていた。
Googleは商慣習を改善することで合意し、FTCは19カ月にわたる調査を終了した。和解条件のもと、Googleは公正で合理的かつ差別のない(FRAND:Fair, Reasonable, and Non-Discriminatory)条件で、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、ゲーム機などを構築するための標準必須特許を競合社が利用できるようにする。
オンライン検索広告に関しては柔軟性をいっそう高め、広告主がGoogleの「AdWords」プラットフォームと他社広告プラットフォームにおける広告キャンペーンを同時に管理できるようにする。
またFTCは、Googleが検索結果において一部Webサイトを不利な順位に置いたか、Webおよびモバイル検索の提供で反競争的契約を強要したかなどについても調べたが、これらに関する措置はとらないとしている。
この決定は、基本的にグーグルの主要な訴えであった独自の技術革新(を使った検索)が利用者に便益を与えているとの主張を認めたもので、グーグルは今後も自社で適切と考えるネット検索結果を表示し続けることができる。
この決定は、基本的にグーグルの主要な訴えであった独自の技術革新(を使った検索)が利用者に便益を与えているとの主張を認めたもので、グーグルは今後も自社で適切と考えるネット検索結果を表示し続けることができる。
なお、Googleは和解条件とは別に、自発的な商慣習の変更計画書をFTCに提出している。
① ウェブサイト運営者により広い選択肢を与える:Webサイト運営者がレビューなどのコンテンツを、地域、旅行、ショッピングといった専門サービスの検索結果から削除できるようにする。
② 広告キャンペーンの管理を容易化する: 広告主がAdWords APIを利用する他社広告サービスに、AdWordsのキャンペーンデータをコピーおよび組み合わせられるようにする。Googleはこの変更計画書において、これまでもWebサイト運営者はGoogle検索からオプトアウトできた点、広告主は広告キャンペーンをAdWordsから移行できた点を強調している。
FTCは、小幅とはいえ上記の譲歩をGoogleから引き出し、それが本質的には「画期的」と位置づけている。
FTCは、小幅とはいえ上記の譲歩をGoogleから引き出し、それが本質的には「画期的」と位置づけている。
コメント
FTCは、2年近くに及ぶ米ネット検索大手グーグルの独占禁止法違反調査の結果、同社の自主是正と引き換えに正式違反を事実上摘発することなく調査を終えた。
Googleが事業方法について自発的にいくつかの変更を行うことになったため、FTCは制裁金を課すことはしない。
この結果はGoogleに明白な勝利といえる。グーグルの検索ビジネスでの優越的地位は揺るがずマイクロソフトなど競合他社には打撃となった。
グーグルは依然欧州当局や米国の州当局からの独禁法違反調査を受けている。ただ、この日のFTC決定で、年400億ドルに達するオンライン広告ビジネスを継続できることになった。
※ 標準必須特許、あるいは標準規格必須特許とは公的な標準規格に準拠した製品を製造する上で避けて通ることが困難な特許をいう。FRAND(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory)条項は、標準化活動に参加する企業に対して、すでに取得しているか将来取得が見込まれる特許を申告させたうえで、合理的かつ非差別的な条件でライセンスさせることを求めるもの。
ECによるプレスリリース(英文) http://europa.eu/rapid/press-release_IP-10-1624_en.htm?locale=en
FTCによるプレスリリース(英文) http://www.ftc.gov/opa/2013/01/google.shtmGoogle公式ブログの該当記事(英文) The Federal Trade Commission closes its antitrust review
欧州委員会、競争法違反の疑いでGoogleの正式調査を開始
Googleの独禁法違反調査、対象はAndroidと検索サービス
GoogleがFTCと合意、検索結果表示などの独禁法違反に関する調査は終了
Google、反トラスト法違反調査でFTCと和解
Google、反トラスト法調査でFTCと和解―検索からのコンテンツの削除、広告キャンペーンの他社移行、標準必須特許のライセンスで譲歩
米グーグル、FTCの独禁法調査で和解―検索に関する自主是正で